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アマチュアピアニストにありがちな疑問に対し、墨田アマチュアピアノコンクール実行委員長・元ピアニスト田中良茂が回答いたします。(回答は田中の個人的見解によるものです)
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【第15回】運指について
Q
本番間際に弾けない運指だと気付いて変えることが度々あります。練習不足で弾けていないと思っているので、弾きにくいまま練習してしまうのですが、運指や身体の使い方を変える事で弾けるようになったりします。基本12345とハ長調の音階のような運指にしてしまうのですが、どのように自分に合った運指を譜読みの段階で見つけられるのでしょうか?
A
自分に合った運指を譜読みの段階で見つける手段ですが、”私の場合”という前提でご回答いたします。
まず、身に着いている運指や指の感覚がありますので、通常は、その楽曲、その箇所に適しているかどうかは別として、自ずと指使いが決まってくるケースがほとんどです。
しかし、弾きにくい箇所や、音色的に違和感を覚える場面が必ず後で出てきます。そういった時は基本(一応、ハノンといってよいのかな)の指使いを思い出したりして修正します。但し、作品によっては、どうしても基本の指使いでは弾けないというものもあります。またあえて、特別な音色を出すために運動の理に反した指を用いて演奏することもあります。
ちなみにご質問者さまのハ長調の音階の指使い、ドレミファソを12345で演奏されるのは、正直なところあまり感心いたしません。ハ長調の音階であれば12312で始めた方がその後のラシドを345で弾けるので無駄がありません。
以前にイェルク・デームスがマスタークラスで、「B-durの音階の指使いが理想的」と語っていた記憶があります。すなわち黒鍵には長い指を充てるということですが、運動の理においても音色上も頷けます。
ご質問者さまにおかれては、基本(ハノン)の指使いを再確認し、それでも余りうまくいかない場合は先生に相談されてみるのはいかがでしょうか。
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